昭和24年に田辺市警察署として建築され、田辺市立図書館、市教委などを経て、最後は中部公民館として存在しました。
老朽化がたいへん激しかったので、中部公民館が新設されてからは特に使い道もなく、田辺市としては取り壊す予定だったそうです。
ちょうど私たちも町家カフェに近い場所で二号店の候補地を探していましたし、子どもの頃から慣れ親しんで来たこの建物を活用させていただきたいとお願いしました。
大正ロマンの香りがするこの建物は、左右対称の縦の線が強調されていて、木造ながら中央部だけがモルタルで『石造り風』に建てられています。それが何とも重厚な感じがします。
工事は大変難航し、特に足元がシロアリに侵食されていましたので、家起こしの業者さんが建物を一旦30センチほど持ち上げて、昔ながらの工法で補修してくださいました。
設計士さんや請負業者さん、皆さんの計らいで、建てられた当時の意匠そのままに復元してくださり、真っ白い外壁も正面玄関入ってすぐのカウンターも、二本の立派なけやきの柱も、腰壁の色も窓も扉もまったく当時のままに蘇りました。
皆さんに愛され続けてきたこの建物で、私たちも皆さんに末永く大事にしていただける空間作りを目指していきたいと思います。
どうぞ、これからもご支援いただけますよう、心よりお願い申し上げます。